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フランス料理と日本酒の新たな邂逅
- 銀座 大石 -

フランス料理と日本酒の新たな邂逅<br>- 銀座 大石 -

料理人として、日本の四季を大切にし、日本の旬の食材を生き生きと生かしたい……。

そんな思いを胸に、刻々と変わる四季折々食材をア・ラ・ミニッツで少量多皿のフランス料理に仕立てる「銀座 大石」の大石義一シェフ。クリアな日本のみずみずしい野菜を使った料理に合わせたのは、ワインではなく、MINAKIの「極幻」でした。

日本の清流を思わせるような爽やかな野菜の一皿に、クリアで磨き込まれた日本酒がすっと寄り添い、かろやかなハーモニーを奏でます。「極幻」に出会って、ようやくワインペアリングのなかにしっくりと収まる日本酒を見つけたと話す大石シェフ。 大石シェフが思うMINAKI「極幻」の魅力を語っていただきました。

・プロフィール
銀座大石 オーナーシェフ 大石 義一 氏
1981年、福岡県生まれ。北九州市のホテルでキャリアをスタート。2003年に上京し【北島亭】に入店後、2005年よりスーシェフに抜擢。同店ではサービスやワインについても学びながら16年勤務。2019年9月、自身の名を冠した【銀座 大石】でオーナーシェフになる。

日本の四季とともに変化するフランス料理


カウンターでシェフが料理や盛り付けをする様を見ながら食事ができる

 オープンから3年。人懐っこい笑顔に、エネルギーと愛情溢れる人柄が魅力の大石義一シェフに会いたいと通う、リピーターで連日満席が続く「銀座大石」。

シェフ、大石義一さんが作るのは、四谷のフランス料理の名店「北島亭」仕込みの骨太なフランス料理の骨格を感じながらも、日本の繊細な食材を生かしたモダンなフレンチです。

「おいしいものを、たくさん食べていって」と語らずともオーラで伝えるような豪快な大石さん。けれどその姿からは、ちょっぴりギャップを感じるような、四季のうつろいとともに細やかに変わっていく旬の野菜や魚を中心にした、軽やかで優しい料理が、次々と登場します。

「鮮度や旬を考えて、おいしい料理を作ろうと考えたら、自然に日本の食材に行きつくよね。もちろん、日本のものより状態が良い場合はフランス産の肉や野菜も使ったりするよ。変なこだわりはないんですよね。料理もなんでもそうだけれど、“おいしい”が一番大切。シンプルにね」


コースの最初のほうに出てくる「野菜サラダ」

そんな大石さん、多皿コースのなかでも必ず、“旬の食材が持つ本来のおいしさそのもの“を味わう料理を用意します。

例えば季節の野菜サラダは、一つ一つの素材の味わいを考え、焼いたり、揚げたり、ムースにしたりとそれぞれに調理法を変えて盛り合わせたもの。一つ一つの香りや味わいを引き立てるために、ムースやソースにも乳製品をほとんど使わず、素材の味の組み合わせと、火の通し方などで甘みや旨味、食感のリズムを作った一皿です。

こうした料理に、大石さんがこれ以上ないほど合う、とペアリングとして出すのがMINAKIの「極幻」でした。

「きれいな水で育ったことがわかる野菜のクリアな味わいに、磨き抜かれた日本酒の味わいがよく合うんですよね」と大石シェフ。ピュアさや透明感のある料理に、まさに同調するかのようなクリアな「極幻」の味わいは、むしろワインよりもしっくりとくるものだったと語ります。


「極幻」は、見た目はサラリとしたクリアな水色。きれいな味わい

こうしたフランス料理に日本酒をあわせることも、今では珍しくないことかもしれませんが、「極幻」に出会うまでは、ペアリングの内容も二転三転していたとのこと。

まず、オープン当初は12種類近くのペアリングをすべてワインだけで構成。しかし、白ワイン、ロゼワイン、赤ワインのなかで緩急つけたとしても、やはり途中で飽きてしまうのではという思いがずっとあったそう。そのなかで日本の食材を多用する自身の料理ならば、日本酒とも合うのではと、何種類か試したものの、旨味や甘みが濃すぎたり、または辛口すぎたりと、自身の料理と日本酒とのバランスを取るのがなかなか難しかったと振り返ります。

そんな時にMINAKIの「極幻」に出逢います。


いつもにこやかにお客さまと会話をしながら調理する大石シェフ

「『極幻』を初めて飲んだときに、“うまい”と思いました。僕はおいしいものが好きですから、一気に興味が湧きましたね。なによりも、クリアで透明感があるのに奥行きの深さがあり余韻が長い。単体で飲んでも飲み飽きないうまさがあるのに、料理と合わせると不思議と前に出ない。邪魔をせずに引き立ててくれるんです」。

これなら自分の料理に合う、そう思って試しにペアリングの中に組み込んでみたそう。

綺麗な味わいで、どんな食材でも決して全面に出過ぎず、引き立てる。その見立ては、レストランの他のスタッフや信頼のおけるインポーターからもお墨付きをもらうほど。目論見通りにピッタリと大石さんの料理に馴染み、晴れて定番のペアリングの仲間に加わったのです。

とある日のペアリングのラインナップ。日本酒ながら、ワインと並んでもしっくりと馴染む

「あとね、実はこのお酒、こんなにおいしいのに、まだ全然知られていないでしょ。そんなところも応援したくなっちゃうところだよね」といたずらっ子のように笑う大石さん。

「やっぱり、MINAKIというブランドが、全国の才能溢れる杜氏とタッグを組んで究極の日本酒を作ったって話をゲストに伝えたくなるよね。自分が感動したから言えるんだけれど、磨き抜いた透明感があるのに、うまいでしょってお客さまに話をしながら出すの。そうするとみんな興味を持ってくれるし、食事も楽しくなるでしょ」。

話を聞いたゲストたちの評判も上々。みんな“おいしい”と、気に入って、次の来訪時に“飲みたい”とリクエストをしてくれる方もいるといいます。

時間とともに変化する味わいを生かし、ペアリング


コース中盤の華、8種盛られた「八寸」

もう一品、MINAKIの「極幻」に合わせるという料理を紹介してくれました。 それは、大石シェフのスペシャリテ「八寸」。

取材時は初夏。この日は、オクラなどの野菜のゼリー寄せ、皮目をパリッと焼いた青森県のマスなどのシンプルなものから、フロマージュテッドのようなクラシックなフランス料理も盛り込まれていました。

一番上にあるのは、じゃがいもの細切りを巻きつけ、コンフィにした郡上八幡の鮎。蓼酢に見立てたハーブ入りサワークリームとトマトのドレッシングを添えるなど日本料理をフランス料理に解釈して再構築したオリジナリティ溢れる料理もユニーク。色とりどりの見た目同様、繊細な味わいも、パンチのある味わいも同居する、実ににぎやかな一皿です。

一見味わいの濃淡も違う料理を1種類のドリンクでまとめるのは難しそうですが、だからこそ、この料理には『極幻』を合わせるという大石シェフ。

「ポイントは温度が変わるごとに合う料理が変化するところ。キリッと冷えた状態のときには、クリアですっきりとしているので野菜のテリーヌやマスなどに合わせてほしいですね。温度が少しずつ上がっていくと、旨味が強くなり、ふくよかな深みが出てくるので、鮎のコンフィやフロマージュテッドなども受け止めてくれるでしょう。時間とともに、味わいの表情が変わるのも『極幻』の魅力ではないでしょうか」と教えてくれました。

MINAKIの美しいボトル、そして味わいも、お客さまにも好評とのこと

ワインのように時間とともに変化する味わいを楽しむ。それは従来の日本酒には無かった楽しみ方かもしれません。

しかし、磨き抜いて丁寧に醸して誕生した日本酒には、自然に流れる清流のようにどんなこともさらりと受け止め、また、悠々たる時間さえも内包し、従来の日本酒の常識を超える懐の深さがあるようです。

「『極幻』は日本料理、フランス料理、といったジャンルを超えて、中華料理でもエスニックでも、どんな料理でも引き立ててくれるような包容力を感じる不思議な日本酒です。かといって、芯がないわけでなく、個性はしっかりとあるんですね。これから、ボーダレスにジャンルレスに人気がでるのではと期待しています」。

 

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・銀座 大石
住所:東京都中央区銀座2-10-11 マロニエ通り銀座館 2F
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