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樽と氷温が生む余韻 —『幻響』という新たな表現

樽と氷温が生む余韻 —『幻響』という新たな表現

2026年3月30日(月) に抽選販売を開始したばかりの『幻響|GENKYO』。
日本酒MINAKIとして約3年ぶりとなる新商品であり、これまでのラインアップの延長線上にありながら、その思想をさらに押し広げる一本です。

精米歩合17%の純米大吟醸をベースに、白ワイン熟成後のフレンチオーク樽で約7ヶ月熟成。さらに氷温環境で香味を整えることで、樽由来のほのかなバニラ香と木のニュアンスを纏いながらも、軽やかで透明感のある味わいを実現しました。

異なる文化の“時間”を重ねることで、日本酒の余韻はどこまで広がるのか。
 “日本酒の常識を越える熟成表現”を問い続けた、その軌跡をご紹介します。

白ワイン樽が導いた、新たな発想

『幻響』の出発点は、蔵で目にした白ワイン樽でした。
もともとMINAKIは、白ワインのような透明感や伸びやかな余韻を持つ日本酒を志向してきました。その思想の延長線上で、「樽」という存在は自然な発想として立ち上がります。

日本酒にワイン樽の要素を重ねたとき、単なる変化ではなく、より立体的で奥行きのある味わいが生まれるのではないか——。

しかし同時に、ひとつの難題がありました。樽の個性が強すぎれば日本酒らしさは失われ、弱すぎれば挑戦として成立しない。この“微妙なライン”を設計することこそが、『幻響』の開発の核心でした。

フレンチオークと“静かな香り”の設計

樽として選んだのは、一般的な杉樽ではなくフレンチオーク。

その理由は、強さではなく“繊細さ”にあります。クローヴやトーストのような穏やかな香りを纏わせながら、日本酒の透明感を損なわないこと。
さらに使用したのは、1年以上白ワインを熟成させた後の樽でした。オークの強い主張が落ち着き、ワイン由来の柑橘やミネラルのニュアンスだけが残った状態。その樽に、精米歩合17%の純米大吟醸酒を入れることで、日本酒・ワイン・樽、それぞれの要素が静かに重なり合う設計を目指しました。

“足す”のではなく、“重ねる”。
 その思想が、この酒の輪郭を形づくっています。

“完成”ではなく“ピーク”を選ぶということ

熟成期間に、あらかじめ決められた正解はありませんでした。

開発初期は週に数回だったテイスティングは、後半には毎日へ。香りが開く瞬間、味わいが丸みを帯びるタイミング——そのすべてを人の感覚で追い続けます。結果として導かれたのが、約7ヶ月という時間でした。
また温度管理も重要な要素でした。前半は10〜15℃でゆっくりと抽出を進め、後半は0℃付近、最終的には氷温(−2〜−3℃)へ。

熟成を“進める”のではなく、“止めながら整える”。
そのコントロールによって、香りと味わいのバランスを極限まで引き出しています。

赤坂で披露された、新しい日本酒体験

2026年3月30日、東京・赤坂プリンスクラシックハウスにて、『幻響』のプレス発表会を開催しました。
当日は、ブランドオーナー皆木によるプレゼンテーションに加え、ワインソムリエの田邊公一氏を迎え、日本酒とワイン、それぞれの視点から『幻響』の味わいを紐解くセッションを実施。

会場では、単なる試飲ではなく、料理とのペアリングを通じて味わいの変化と余韻を体験する構成が採られました。グラスの中で時間とともに変化する香り、温度によって表情を変える味わい——そうした“動き”そのものが、この酒の魅力として提示されました。

MINAKIが一貫して大切にしているのは、味わいだけでなく体験全体の設計です。その思想は今回の発表会でも、空間・提供・ストーリーのすべてにおいて表現されていました。

“これは日本酒なのか”という問いから

『幻響』は、単なる新商品ではありません。それは、日本酒というカテゴリに対する問いでもあります。
ワインでもウイスキーでもない、日本酒だからこそできる表現とは何か。

重さではなく、透明感。主張ではなく、余韻。
そして、境界を曖昧にすることで生まれる新しい体験。

グラスに注いだ瞬間、「これは日本酒なのか」とふと考える。
その違和感こそが、日本酒の可能性を広げる入口になると、私たちは考えています。


 

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